3D CADで自由な曲線や曲面を描くとき、その裏側ではベジェ・B-スプライン・NURBSといった数学的な表現形式が働いている。名前は聞いたことがあっても、「何が違うのか」を説明できる人は意外に少ない。区別のカギはただひとつ、制御点を動かしたときに「どこまで影響が及ぶか」だ。
まず全体像:4つの表現形式
| 形式 | 特徴 | 区別のカギ |
|---|---|---|
| ベジェ | 制御点で形を操る基本形 | 1点動かすと全体が変わる |
| B-スプライン | 曲線を区間(セグメント)で管理 | 変化は近くだけ(局所性) |
| NURBS | B-スプラインの拡張版 | 円も自由曲面も統一的に表せる |
| グレゴリ曲面 | 曲面パッチの接続用 | つなぎ目をなめらかにする |
ベジェ曲線:1点動かすと全体が変わる
ベジェ曲線は、いくつかの制御点で曲線の形を操る、最も基本的な表現形式。構造が単純で扱いやすい一方、制御点をひとつ動かすと曲線のほぼ全体が変形するという性質を持つ。一部分だけを直したいときに、他の部分まで動いてしまうのが弱点だ。
B-スプライン曲線:変化は近くだけ
B-スプライン曲線は、曲線をいくつかの区間(セグメント)に分けて管理する形式。制御点を動かしても、影響はその近くの区間にとどまる。この性質を局所性と呼び、細かい修正を安心して行えるのが最大の強みだ。

補足:試験でもここが狙われる。「B-スプラインは影響が曲線全体に及ぶため局所的な操作ができない」という文が出たら、それはベジェの説明にすり替えられた誤り。局所=B-スプライン、全体=ベジェ。
NURBS:円も自由曲面もこれひとつ
NURBS(非一様有理B-スプライン)は、B-スプラインに「重み」の考え方を加えた拡張版。この拡張により、自由曲線だけでなく円や円弧のような正確な形状も、同じ仕組みで表現できるようになった。直線・円・自由曲面をひとつの形式で統一的に扱えるため、多くの3次元CADで採用されている。
グレゴリ曲面:つなぎ目の問題を解く
複雑な製品の曲面は、1枚では作れない。複数の曲面パッチを貼り合わせて作る。このとき問題になるのがパッチどうしの接続で、ただ並べただけでは、つなぎ目に段差や折れが出てしまう。グレゴリ曲面は、この接続の問題を解決するために考案された表現形式だ。

まとめ:影響の範囲と、生まれた目的で覚える
4つの形式は、「制御点の影響がどこまで及ぶか」と「何のために生まれたか」で整理できる。ベジェは全体・B-スプラインは局所。NURBSは円まで統一的に表すための拡張、グレゴリ曲面はつなぎ目のための発明。名前ではなく性質で覚えると、似た選択肢が並んでも迷わない。
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