CADで設計した3Dモデルは、設計が終わってからが本番だ。加工データに変換され、強度を計算され、実物と照合され、画面の上で組み立てられる。この一連の工程を支えるのがCAM・CAE・CAT・DMUといったシステム群で、CADと合わせて「CAxファミリー」と総称される。名前が似ていて混同しやすいが、それぞれの「役割」で覚えれば一度で区別できる。
まず全体像:役割の早見表
| 用語 | 役割 | ひと言で |
|---|---|---|
| CAD | 設計・製図 | 3Dモデルを作る(起点) |
| CAM | 製造 | 加工データを作る |
| CAE | 解析 | 強度・熱・動きを計算で確かめる |
| CAT | 検査 | 実物を測って設計と照合する |
| DMU | 検証 | 画面上で組み立てて干渉を確かめる |
| CG | 表現 | 実物らしく見せる |

CAD:すべての起点
CAD(Computer Aided Design)は、3Dモデルや図面を作る設計の道具。ここで作られたモデルが、以降のすべてのシステムの入力データになる。CAxファミリーの中心であり起点だ。
CAM:加工データを作る
CAM(Computer Aided Manufacturing)は、3Dモデルから工作機械を動かす加工データ(NCプログラム)を作る。どの工具で、どの経路を、どの速さで削るか。設計と製造をつなぐ橋の役割を持つ。
CAE:計算で確かめる
CAE(Computer Aided Engineering)は、試作品を作る前に計算(シミュレーション)で性能を確かめる仕組み。荷重をかけて変位や応力を求める構造解析、リンク機構の動きを調べる機構解析のほか、熱解析・流体解析などがある。「壊れないか」は構造解析、「どう動くか」は機構解析と覚えると混同しない。
CAT:実物を測って照合する
CAT(Computer Aided Testing)は検査のシステム。完成した実物を3次元測定機で測り、設計した3Dモデルと突き合わせて誤差を検証する。作ったものが図面どおりかを確かめる最後の関門だ。
DMU:画面上で組み立てて検証する
DMU(デジタルモックアップ)は、試作模型の代わりに画面上で製品を組み立てて検証する仕組み。大規模なアセンブリでも軽快に表示できる軽量データ(XVLなど)を使い、部品どうしのぶつかり(干渉)チェックやデザインレビューを効率よく進める。
補足:CAE・CAT・DMUはどれも「確かめる」仲間だが、対象が違う。CAEは計算で予測、CATは実物を測る、DMUは画面上の組立を見る。この3つの区別が問われやすい。
CG:実物らしく見せる
CG(Computer Graphics)は、3Dモデルに材質や照明を与えて実物のイメージに近づけて表現する技術。性能を確かめる道具ではなく、見せて伝えるための道具だ。CG処理の機能を備えた3次元CADもある。
まとめ:「作る・確かめる・見せる」で仕分ける

迷ったら、この3分類に当てはめる。作るのがCADとCAM、確かめるのがCAE・CAT・DMU、見せるのがCG。名前のアルファベットではなく役割で覚えるのが、確実に区別する近道だ。
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